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第32章 記憶



「……言った? 俺が?」

「言ったよ」



 ああ、覚えてないんだ。
馬鹿みたい。
相馬は覚えてもいないようなどうでもいい過去を、独りで勝手に気にして馬鹿みたい。

 相馬のこと、必死で好きにならないように頑張って、馬鹿みたい。



 こんなとこで泣いたって意味がない。
他のお客さんに聞こえたら迷惑だし、相馬も戸惑うだけだ。
私が私のために取るべき行動は、私ももう忘れたことにして、綺麗さっぱり流して二度と話題にしないか、もしくは相馬にわかるように説明すること。
その二択以外にない。

そうわかっているのに、意思に反して涙が止まらない。



 ごめん、困らせたいわけじゃない、時間だけちょうだい、すぐ抑え込むから。
喉が引きつって、それだけ相馬に言う暇も与えてもらえない。

顔を伏せていて、相馬が立ち上がったのにも気づかなかった。


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