この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
unbalance
第32章 記憶



「注文お願いします」

 相馬がカウンターのほうに声を掛けると、はーい、とさっきのマスターさんの声が聞こえてくる。
私は鏡で最終確認をして、ポーチを仕舞う。



相馬が残りのウイスキーを煽った。

「相馬……ペース早くない? 大丈夫?」

「大丈夫じゃねえよばーか」



 脈絡も中身もない悪口が飛んできた。え、なに急に。



 すぐにマスターさんが来て、相馬は、ウイスキーを指定してハイボールを頼んだ。

「普通にいつもの感じで作っていい? 弱めにしとく?」

「いつも通りで大丈夫です」

 マスターさんは相馬をちょっと心配そうに見たけれど、何も口を挟まなかった。



「彼女さんは?」

 急に話を振られてビビる。
頼むつもりじゃなかったけど、でも、今頼めば来るまでには飲み干せるかもな。

相馬ばっかお酒頼んで、一人で酔いが醒めるのも怖いし……。
二杯目、頼んじゃおっかな。
でも、ぱっと頼めるほど詳しくない。



 咄嗟に相馬を見てしまう。相馬は少し首を傾げて、

「お任せしてみる?」

「あ、お、お任せ……」

 したことない、けど、その言葉は、何だか「通」っぽくて、ちょっと相馬のいるステージに近づける気がした。


/264ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ