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第34章 ロングアイランドアイスティー



 ちょうど私がカクテルを飲み干したころ、二杯目のお酒がやってきた。



 マスターさんが私と相馬にそれぞれグラスを置き、

「あと、チェイサーね」

 同じく私たちそれぞれに、冷たい水を置いた。

「ほどほどにね」

 そう言って去っていくマスターさんの背中を見ながら、バーというより、おうちって感じだなと思った。



 相馬はさっそく新しく来たハイボールに口をつける。
私にやってきた新しいカクテルは透き通った褐色で、砕いた氷が詰まっていた。
上にはミントとレモンが浮かんでいる。

強いお酒なんだよね、と恐る恐る口元に近づけると、レモンティーみたいな香りがする。
ひとくち口に含むと、予想に反して予想通りのアイスティーだった。
アイスティーのカクテルなんてあるんだな、やっぱり弱めのお酒にしてくれたのかな、と、見えないマスターさんの気遣いに感謝する。



「さっきの……飲み会のときの話だけど」

 相馬がようやく話を戻して、私は視線を上げた。


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