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第36章 歯磨き



 前に、相馬に抱き締められたまま寝たときのことを思い出した。
あのときは、ろくに寝られなかったけど。床だったし。
あのときは――



 相馬が、私のおしりに押しつけていたものがあったことを思い出す。



 今は、あのときみたいになってないのかな……。
さっき、あんなにキスしたのに。
私はこんなに、眠れそうにないのに。



 おしりには何も当たっていない。



 いや、疲れてるから、眠いから、きっとそんな気分じゃないんだろう。
でも、あのときだって半分寝てたのに?



 それだけ確かめたくて、もぞもぞと体の位置を動かしてみる。
腰を引いてみる。
やっぱり何も当たる感触はしない。

こんな気分になってるのは私だけ? 
相馬は、どうしてそんなに平気なの? 
このまま平然と寝られるの? 


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