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unbalance
第36章 歯磨き

「そんなことしなくても、ちゃんと遊ぶから、ね」
「んー、でも、現実問題、当面は俺のほうが帰るの早いだろ。
そしたら俺が家で飯作って待ってたほうが合理的だろ」
「……そ、」
そんな生活に……なるのだろうか。
「そしたらセックスしたくないときでも、飯だけ食べに、うち来てくれるかもしれないだろ」
「……さっきから、聞き捨てならないんだけど」
まるで私の目的が、それだけみたいに。
「私、別に……」
「じゃあ、明日一緒に出掛けてくれる?」
ああ、そうか。それを躱したのは私のほうだ。
「うん。料理できるもの揃えにいこ」
「やったあ」
ぎゅっと私を抱く手に力を込めて、相馬が笑う。
「へへ、楽しみ。じゃあおやすみ」
「……お、おやすみ……」
突然の挨拶とともに何も言わなくなった相馬に、私も挨拶を返して、
こ、このまま寝るのかな……。

