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第39章 熱



「霧野」

 胸に触れる感触が、舌から指のそれに変わった。相馬の声が耳元に掛かって、くすぐったくて顔の位置を戻すと、キスされた。



 ねっとりとした、ゆるやかなキスだった。
上からも下からもぴちゃぴちゃくちゅくちゅとえっちな音がして、ますます蜜が溢れてくる。
相馬の指が、どんどん激しくなっていく。

 どんどん昂っていく。
キスで口を塞がれているのに、その隙間を掻い潜ってだらしない声が漏れる。
慌てて唇を離した。



「……そうま、もう……っ」

「可愛い」

「も、いいから、いれよ、」

 また私だけイっちゃうわけには、



「気持ちいい? ねえ」

 なんでっ言わせようとするのっ、

「だめ、」

「気持ちいいとこどこ? 教えて。ここ?」

「あ……っ」



 自分から大きい声が出てびっくりした。


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