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unbalance
第39章 熱

「美愛、」
相馬が私の名前を、耳元で囁く。
と同時に、ばちゅ、と勢いよく突いた。
「あっ………」
「気持ちいい?」
「わかんな……っ」
すご、何これ、おく、あたって……っ!
「そ、そーま、ストップ、」
「名前、呼んで」
そんな……っ!
「呼んでくれなきゃやめないよ」
「やっ……」
「俺の名前、覚えてない?」
そんなわけないでしょ!
同じチームで仕事をしていて、さすがにそんなわけはない。
メールや書類でフルネームを書く機会も多いし、下の名前を知らないなんてことはありえない、
けど――声に出すのは、はじめてかもしれない。
「……と……」
「何? 聞こえない」
だって!

