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unbalance
第39章 熱

恨みがましく私を見つめる相馬の目に――根負けした。
「……目隠ししてくれたら……」
「ほんと、押しに弱いよな、美愛」
……押した本人が何言ってんのよ。
とはいえ――と、テーブルに並んだあらゆる種類の食べものを見て、思う。
――優しくしてくれるのは……事実だもんな。
あんまり邪険にするのも……。
カーペットに座り直しながら、相馬をちらりと見る。
おにぎりやサンドイッチをこちら向きに並べ直しながら、相馬が、どれ食べたい? と聞く。
「……ありがと」
間髪入れずに返事が返ってくる。
「お礼は風呂でいいよ」
……ばか。
私はたまごサンドを取りながら、相馬の涼しい顔を睨んだ。

