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unbalance
第39章 熱

仕方がないのでブランケットごとずりずりと床に降りて、服を掻き集める。
「俺は、美愛のお着替えシーン見たいけど」
「うるさい!」
「まあ、どっちかというと脱ぐ瞬間のほうがそそるけど」
いい加減にして!
ぜんぶ抱えて廊下のほうに出ようとする私を見て、ようやく相馬が折れた。
「わかったよ。向こう向いてればいいんだろ」
ベッドとローテーブルを背にして相馬が座り直して、私はやっとブランケットから手を離すことができた。
「あとで一緒に風呂入ろうな」
「入りません!」
「入らないの……?」
壁を見つめた相馬の背中が丸くて、……可哀想になんて、なってしまったら相馬の術中だ。
私は服を着て 、
「もう、いいよ」
「ほんと!?」
相馬が勢いよく振り返った。
「ちが、いいよって、服着終わったよって意味!」

