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第7章 火種



普段の私だったらぜったいにできないことを、今の私は、どうしてだろう、まあいいかのひとことでこなしていく。



「ちょちょちょちょ」

 慌てる相馬の胸に顔を埋めるように彼の背中を抱き寄せる。
あったかい。一緒に傘に入ったときと同じにおいがする。どきどきするにおい。

相馬の心臓の音が聞こえる。

彼の太ももに足も回すと、私のおなかと彼の腰の間に何か硬いものが挟まれてるのを感じた。
私の下腹部が、きゅっと疼く。

 彼の背中を、フェザータッチで撫でてみる。彼の体に力がこもる。



「……あっれー? 相馬くんー?」

 私は相馬の体の下で、ちょっと身動ぎした。
私のおなかが、彼の体と擦れるように。

「……ちょ、霧野……っ」


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