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unbalance
第7章 火種



 彼の腕に囲われながら、私はもぞもぞと体の位置を動かして、彼のそれをぎゅっと握って、

 バレちゃうかな。

 サカってるって思われたら恥ずかしい。
引かれちゃう? 嫌われちゃう? 
けど――



 我慢できない。
私は握った手の角度を無理に変えた。
彼が腰を前に出したときに、その先っぽが、自分に当たるように。



 あ、気持ちいい。

 当たってる、相馬の、まるで、一緒にしてるみたいで、その感触だけじゃなく、体勢に、状況に、痺れるような幸福感が全身を襲う。



「ぁ、あ……っ」

 だめ、声出しちゃだめ、わざと当ててるの相馬にバレちゃう、



「……霧野……っ」

 突然相馬が私の手首を掴んで、自分自身から私の手を引き剥がした。
どうして。
やめちゃうの、やだ、やめたくない、



「ああ……っ!」

 大きい声が出てしまって、私は慌てて口を噤んだけれどもう遅かった。
相馬の硬いところが、私の敏感な部分を、布越しに、ぐり、と押した。



「こうしてほしかったんだろ……っ」

 そのまま相馬は腰を振る。
ぐいぐいと乱暴に擦る。


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