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unbalance
第7章 火種
「えっろ……」
彼の呟きを否定することもできないまま、首に、それから襟元を引っ張られて肩に、鎖骨に、キスが落とされる。
何度も、何度も。
それがまるで求められているみたいで、幸福感と快感に、思わず彼を握る手に力が入ってしまった。
「ぅ、あ」
相馬が声を上げた。私は慌てて手を緩めた。
「ごめん、痛かった?」
「違う……」
違うの?
……へーえ、違うんだ。
「……じゃあ……何?」
答えはわかっていたけれど敢えて聞くと、相馬は、うっせ、と吐くように言って、止まった私の手に、自ら腰を動かして自分自身を押しつけた。
ぐいぐいと、リズムを作るように腰を前後に振る。
あ、ずるい。
勝手に気持ちよくなって、ずるい。
ずるいずるいずるい。私だって、私だって。