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unbalance
第7章 火種
不意に、頭上で束ねられていた手首から、相馬の左手が離された。
――え、
この手の行き場は――どうすれば。
相馬は今度は右手を、おなかのほうへ滑らせた。
スウェットのズボンのきわまで辿り着く。
境目に沿って彼の指が素肌をなぞる。
バンザイしたままは流石に恥ずかしいので、顔の横まで手を下ろす。
目を開けて、相馬を見る。剥き出しの胸に吸い付く彼と目が合って、また下がもどかしくなる。
相馬、ねえ、相馬。
もっと、なんて、言えない、ぜったいに。
もっとしてほしい。もっと、先まで、
相馬、もっと……。
伝わったのか、それとも。相馬の手が、ズボンのウエストのゴムを押し上げて中に入る。
下着のクロッチ部分を、彼の指が縦になぞって、びりびりとした感覚が私の全身を襲った。
「ぁ、あっ……!」
今度こそ身構えていたはずなのに、大きい声を出してしまって、やだ、こんな、恥ずかしい、それなのに……これを期待していたなんて。