この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
unbalance
第2章 傘立て



「お……終わった……!」



 無限に思えた作業も、こつこつ進めていればいつかは終わるものである。
時計を見ると、十一時過ぎ。
全三十ページにわたるデータ分析資料が何とか完成した。

相馬に手伝ってもらってこれだから、一人でやっていたら、やっぱり終わってなかったかもしれない。
悔しいけれど、今回は――助かった。

 隣で相馬が、気の抜けた拍手とともに、おめでとう、と相槌を入れてくれた。

「ちゃんと保存しろよ」

「わかってるよ。保存もするし、今すぐ部長に送りつけてやる」

「おー、いいねえ」



 相馬が机の上を片付け始める。ずいぶん資料を広げてしまった。

「相馬……ありがとね、遅くまで」

 相馬に頼んだのはデータ探しとかグラフ作りとか、本当に細かいことばかりで申し訳なくなってくる。
けれど、そういった細かい作業に案外時間も脳内リソースも使っているもので、それを一切丸投げして、資料の目的だけに集中できたというのは、本当、感謝でしかない。

「いつになく素直じゃん。どした?」

「うっさ。私だってお礼ぐらい言うわ」

 彼のことは苦手だし嫌いだけれど、ここでお礼も言わないなんて非常識な人間ではないつもりだ。


/264ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ