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ココロのアナ
第4章 ココロの隙間
8月の暑さでも屋上には
社員が絶えずいる
会社のせめてもの計らいか
申し訳無さそうにつけられた屋根。
長いベンチに腰かけ
胸元をパタパタと仰ぐ。
喫煙者は屋上でしか
息抜きができないなんてなー
外の空気を吸って
気分転換しようと思ったが
こうも暑いんじゃ
気分転換はできないな…
胸ポケットから煙草をとりだし
手を当て火をつける…
「ハァ…」
こんな時でも頭に浮かぶ…
普段会社で煙草なんて吸わないあいつ
俺の吸ってたよな…
慣れた手つきで
煙を吐き出す横顔は
まだ21という年を忘れさせるほど
大人びていたんぢゃないかな…
「修ーお疲れっ」
頭の中の旭をかき消すような
明るい声が聞こえたと思ったら
ドサッと隣に腰をおろし長い足を組む
「あぁ渚…お疲れ。」