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ココロのアナ
第5章 渚×修
「今日もあちーね
汗止まんないよー」
騒がしく話すこいつは
渚 悠二(なぎさ ゆうじ)だ。
同期入社で配属先が同じだった。
今ではお互い課も違うし
会社内では顔を合わせる事もすくない。
週に2日くらいは屋上でみかける。
「二人でさぼってカフェでもどうー?」
本気なのか冗談なのか…
知り合った時からこんな感じ。
まぁ…そんなこいつは元彼だったり…。
「俺もどるわ…」
暑さにたえれず屋上を後にしようと
立ち上がると…
シャツを捕まれ大勢を崩す。
「っ…あぶ、な…」
冷や汗をかく俺をよそに
満面の笑みで
「携帯変わってないだろ?
また…連絡してもいい?」
遠慮がちに聞くわりには
行動はそれに伴ってない。
相変わらずだな…
「あぁ…またな」
じゃーねーと大きく手をふる渚に
背をむけ軽く右手を挙げた。
渚と付き合っていたのは
2年前…
別れてから
2年もたつのか…
階段を一段、一段おりるごとに
2年前の記憶も一つ、一つ思い出す…