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12歳年下の旦那さんとの甘い生活
第29章 ヴィラ サントリーニ
『お箸あるの…ありがたいですね…』
セットされているカトラリーに
お箸も一緒にセットされていたので
お箸でお料理を頂くことが出来る。
港斗君と…お付き合いをして
色んな所で…コースを
頂いたりして来たんだけど…。
何と言うか……ここのお料理の
盛り付けは…中々他にない
感じの盛り付けがしてあって。
凄い…そのお料理の中でも
驚いてしまったのが…。
シェフ特製の
皮まで食べられる焼き芋で。
丸い中央が少しだけ窪んだ
お皿に葉っぱが山になっていて
外側に毬栗と、松ぼっくりが
乗っていて…。この焚火の中から
焼き芋を探して下さいと言われる。
焚火??ってなったんだけど。
こんもりと山になっている
乾いた葉っぱからは
火こそ上がってないけど
煙が確かに立ち上っていて。
『凄いですね、巴。
お皿に焚火が乗って来ましたね』
この枯れ葉みたいに見えるのは
ほうじ茶の葉っぱだそうで。
この皿の上で焚火が
開催されているのかと…
驚いてしまったんだけど…。
いや、斬新なお料理と
盛り付けであるのは確かで。
ゴソゴソと…ほうじ茶の
くすぶっている葉っぱの下から
焼き芋を探していると。
ぴょんと、山から2本
細い細い棒が飛び出していて。
『巴、この棒に付いてますよ』
旦那さんが教えてくれたので、
細い棒を持って引っ張り上げると。
可愛らしいサイズの焼き芋が出て来て。
どう見ても焼き芋なんだけど
皮ごと食べられると…
言われても抵抗あるなって
そんな風に思ってたら
ぱくっと彼が1口でそれを
自分の口に入れていて。
『巴、それ、そのまま
食べても大丈夫ですよ。
皮も美味しいですよ』
「???」
半信半疑で…棒から
焼き芋を外して
添えてある二股になった
フォークみたいなので
1口のサイズに切ると。
あれ?これ…思った以上に柔らかい。
お料理の説明をして下さって、
これは金時芋を紅芋で
作った皮に見立てた物で包んで
サツマイモの形にして
素揚げした物なのだそう。
ぱくっ…と口にそれを入れると
サツマイモの甘味が口の中に広がる。
「ん~っ、美味しい~」