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Memories-あの日のあの人は
第1章 憂鬱
ときは昭和60年代。

私は小学校時代、上本町にある進学塾に通っていた。

そこには、英俊が集い、灘、甲陽、星光、神戸女学院、四天王寺、洛南、清風南海、六甲、東大寺を目指していた。

まだ、西大和はなかった…。

そんな時代。

受験勉強に明け暮れ、中学受験。私は第一志望の合格証書を手に入れた。そう、四天王寺。

当時は英数が一番上だった。英数に合格できて、親も塾の先生も喜んでくれた。

小学校には受験勉強ばかりしていた私には友達はいなかった。

感動も何もない、無味乾燥な卒業式。

そして、私は中学生になった。セーラー服。

合格の喜びは、通学を始めて、すぐに悲しみになった。

毎日、つらい満員電車の通学。

周囲には大人ばかり。最寄り駅から、近鉄電車で上本町駅。そして、谷町九丁目駅まで歩いて、谷町線。

ずっと、混み続ける車両。

憂鬱しかなかった。

私を見る大人たちの冷たい視線。そして、聞こえてくる舌打ち。

オッサンに蹴られ、オバサンにヒールで踏まれ、最悪、罵られる日々。

耐えた。毎日、耐えた。

親を心配させたくなかったから、ただ、耐えた。

今の子たちなら、すぐに親に訴えたかもしれないけど、そんな時代じゃなかった。

先生たちも、そんな心配なんてしてくれる時代じゃなかった。

だから、耐えるしかなかった。

毎日が憂鬱だった。夜、寝るときに思うことは、学校に行きたくないということ。

友達とのトラブルなんてない。

みんな、満員電車で通ってきて、みんな周囲の大人たちに阻害され、痛めつけられ、憂鬱のなかにいる同志だったから。

帰りはいい。友達と一緒。それに、ラッシュ時間じゃないから、混むこともない。

上本町駅からの帰途は、大阪線は始発駅。座れるから、楽。

でも、隣の鶴橋駅からは、混む。大阪環状線からの乗り換え。

座席に座っていると、オッサンやオバサンが、

「どけ!」

「席をゆずれ!」

と、鞄を蹴る。頭を叩く。それが当たり前だった。

今、問題になっているキレる老人たちの若かりし頃は、こういうオッサンやオバサンだった。だから、今に始まった問題じゃない。ずっと、キレて暴れて生きてきたのが、今の70歳代、80歳代。
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