この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memories-あの日のあの人は
第7章 駅のホーム
いつもの時間、いつもの車両…
で、いいの?と思った。
でも、改札を通ってしまっていた。いつもの場所に『彼』がいた。
素通りしよう…。
そう、思ったのに、『彼』が、素通りしようとした私に、まるでタクシーを止めるように、右手を上げた。
え?
私は『彼』を見た。表情は、間違いなく、笑顔。
「この間は」
と、『彼』が言った。ドキドキした。
「ありがとう」
と、彼は言った。あ・り・が・と・う???
意味がわからなかった。
もしかして、樟蔭高校の女の子のこと?
え、キスの邪魔をしただけ…。困惑する私の顔をジッと見て、『彼』が破顔した。
「わけがわからないみたいだね」
と、笑う。わかるわけがない…。『人の恋路を邪魔する奴』だったはずの私。
「キミが通って、その後ろから」
と、『彼』が言った。
「後ろから?」
と、訊くと、
「生活指導の鬼が来た」
と、彼が笑った。清風の生活指導は怖いと聞いていたから、確かに、あのまま、樟蔭高校の女の子とキスはともかく、抱き合っていたら…。
「そういうこと」
と、私が言うと、
「禍福は糾える縄の如し」
と、『彼』が笑った。
そして、背後に気配を感じた私が振り返ると、そこに、
樟蔭高校の女の子がいた。そして、もう一人、歩いてきて、私に声を掛けたのは、私と同じ制服。四天王寺高校の制服を着た女の子。
え?プール学院中学の女の子だった。
「普通科だけど、同じ学校に通っているのよ。気が付かなかった?」
と、笑った。今なら、皆でLINE交換でもするのだろうけど、そんなものは無かった。
でも、同じ電車、同じ車両、同じ扉から、乗る日々が続いた。
高校卒業まで。
そして、今、みんな、いい年になったはず。
高校時代の私たち、清風、四天王寺、樟蔭の4人。男1人と、女3人の物語。
興味があれば、次作『SSS-EX』を読んでくださいね。
で、いいの?と思った。
でも、改札を通ってしまっていた。いつもの場所に『彼』がいた。
素通りしよう…。
そう、思ったのに、『彼』が、素通りしようとした私に、まるでタクシーを止めるように、右手を上げた。
え?
私は『彼』を見た。表情は、間違いなく、笑顔。
「この間は」
と、『彼』が言った。ドキドキした。
「ありがとう」
と、彼は言った。あ・り・が・と・う???
意味がわからなかった。
もしかして、樟蔭高校の女の子のこと?
え、キスの邪魔をしただけ…。困惑する私の顔をジッと見て、『彼』が破顔した。
「わけがわからないみたいだね」
と、笑う。わかるわけがない…。『人の恋路を邪魔する奴』だったはずの私。
「キミが通って、その後ろから」
と、『彼』が言った。
「後ろから?」
と、訊くと、
「生活指導の鬼が来た」
と、彼が笑った。清風の生活指導は怖いと聞いていたから、確かに、あのまま、樟蔭高校の女の子とキスはともかく、抱き合っていたら…。
「そういうこと」
と、私が言うと、
「禍福は糾える縄の如し」
と、『彼』が笑った。
そして、背後に気配を感じた私が振り返ると、そこに、
樟蔭高校の女の子がいた。そして、もう一人、歩いてきて、私に声を掛けたのは、私と同じ制服。四天王寺高校の制服を着た女の子。
え?プール学院中学の女の子だった。
「普通科だけど、同じ学校に通っているのよ。気が付かなかった?」
と、笑った。今なら、皆でLINE交換でもするのだろうけど、そんなものは無かった。
でも、同じ電車、同じ車両、同じ扉から、乗る日々が続いた。
高校卒業まで。
そして、今、みんな、いい年になったはず。
高校時代の私たち、清風、四天王寺、樟蔭の4人。男1人と、女3人の物語。
興味があれば、次作『SSS-EX』を読んでくださいね。