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第2章 試撮

真衣が指先を何度か合わせ、控えめに小さく拍手していた。

「いやいや、昔、コンクールで弾いたことあるから、まだ覚えていたね。オケ（オーケストラ）はいないけどね」

「はは。綺麗な音なんで、鳥肌立ちました…」

「ありがとう。今日撮った写真見てみる？」

「はい！」

真衣はいつの間にか緊張がほぐれ、元気になっていた。彼女がソファーに戻ると、KENはタブレット・ディスプレイを使い、今日の1枚目から見せた。

「表情が固いですね…私…」

「最初はみんなそうだよ。あっ、そう…ここをこうやって、こうすると、写真をマーキングできるから、好きな写真があれば、まとめてUSBメモリーに保存するよ」