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ポートレート – Portrait –
第4章 蝶になった小説家
「真衣ちゃん、目を覚ました?」

「は…はい…」

私はKENさんの腕枕の上で、寝ていたようだった。目の前には彼の姿があった。

「真衣ちゃん、ごめん…本当はこういうことをしてしまうと…」

「謝らないでください。私は本当に蝶になって食べられたみたいで…すごく気持ちよかったです。まだ体がフワフワしています」

真衣はKENの首に腕を伸ばし、自ら彼の体に近付いていった。美しい蝶は新たに目覚めた才能を武器に、蜘蛛さえも惹きつけて離さない程の、大きな翅を広げて包んでいった。
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