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ポートレート – Portrait –
第6章 才能の協奏曲
「レコード会社に勤務する友人がいてね。市販されない録音のテスト版だよ。オケが練習した時の録音。音を絞ってない原音だよ」
「分かりました」
真衣が了承すると、KENはCDを準備し、自分自身は背もたれのない別の椅子に座った。大きくため息をつく。リモコンの再生ボタンを押した。
第2楽章の演奏が始まっていく。最初はバイオリンの弦が指先で弾かれて、小さな重音を出すピチカートと呼ばれるパートから始まる。
真衣は後ろから急に聴こえてきた音に驚いて、後ろを振り向く。
————えっ…左右の天井にスピーカーがある…反対側にもあって、ピアノに音が集まるようになってる…。
すぐにフルートがソロで、第2楽章の主題を奏でる。静かに、伸びやかに、そして美しい旋律だ。真衣は目を閉じてその音色を聴いていた。
「分かりました」
真衣が了承すると、KENはCDを準備し、自分自身は背もたれのない別の椅子に座った。大きくため息をつく。リモコンの再生ボタンを押した。
第2楽章の演奏が始まっていく。最初はバイオリンの弦が指先で弾かれて、小さな重音を出すピチカートと呼ばれるパートから始まる。
真衣は後ろから急に聴こえてきた音に驚いて、後ろを振り向く。
————えっ…左右の天井にスピーカーがある…反対側にもあって、ピアノに音が集まるようになってる…。
すぐにフルートがソロで、第2楽章の主題を奏でる。静かに、伸びやかに、そして美しい旋律だ。真衣は目を閉じてその音色を聴いていた。