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第8章 Voice

真衣は自宅に戻ると、早速仕事に取り掛かった。編集担当の桐野に連絡し、アポを取った。2日後に打ち合わせることにした。

————私の中で次回作のアイデアは、もうできていた。登場人物たちが、頭の中で勝手に会話を始めてしまう。そうなると大抵、私は深刻な睡眠不足になる。寝る前にも会話が始まり、何パターンか違った会話が、どんどん広がっていく。私はそれをベット脇に置いたメモ帳に控える。

————大まかなストーリーラインが完成して、ようやくプロットや、キャラクタープランを作成する。普通は話の順番を決めて、細かな部分を煮詰めるけど、私は逆になる。

2日後、真衣の姿はグレー出版社にあり、編集担当の桐野に次回作の案を見せていた。

————この桐野さんが読んでいる間の沈黙が嫌だ。胸が締め付けられるような時間。早く読んでほしい…早く感想を聞かせてほしい…そんな沈黙の時間だった。