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天狐あやかし秘譚
第7章 【第3話 狐狸の戦い】迷者不問(めいしゃふもん)

店構えになじまない間延びした声。間違いない、あの店員さんだ。
・・・良かったよぉ
「あ・・・あの・・へ・・部屋に・・・部屋に・・・」
言いかけて、妖怪とか言って変に思われないかなと、ストッパーが働いてしまう。
とにかく、ダリだ・・・ダリのいる部屋に戻らなきゃ!
もう、トイレいいからとりあえず戻りたい!
「あの・・・部屋を・・・『桔梗』の部屋は?」
言いながら顔を上げる。その顔を見た瞬間・・・。
へ?
ありえない光景に一瞬、思考が停止する。
見下ろす浅葱の着物の女性、その顔が・・・なかった。
目もない、鼻もない、口もない。
文字通り、正真正銘の・・・のっぺらぼう
「お客さぁあん・・・『桔梗』にもどりたいんですかぁ?」
口がないくせに軽妙に喋る。
あまりにも驚くと、人間、声が出ない。
ぱくぱくと口だけが動く。腰が抜けたようになったまま、後ろ手に後ずさる。
「大丈夫ですよぉ?お客さん!見てください!桔梗の部屋・・・いーっぱいありますからぁ♪」
パン!と大きな音がして、目の前の浅葱の着物の女性が風船のように弾けた。びっくりして一瞬目を背けると・・・。
「嘘・・・」
左右にある襖の上、その隣の襖の上、そのまた隣の襖の上、見渡す限り前にも後ろにも長く長く続く襖の全ての上にある木札に『桔梗』とあった。
もう・・・ダメかも・・・。
「だ・・・ダリぃ・・・」
情けない声が出ると同時に、涙も出た。そして、ついでに、若干だが、私は漏らしていた・・・。
神様・・・ほんっとーに、本当に、もう・・・いい加減に・・・してっ!
・・・良かったよぉ
「あ・・・あの・・へ・・部屋に・・・部屋に・・・」
言いかけて、妖怪とか言って変に思われないかなと、ストッパーが働いてしまう。
とにかく、ダリだ・・・ダリのいる部屋に戻らなきゃ!
もう、トイレいいからとりあえず戻りたい!
「あの・・・部屋を・・・『桔梗』の部屋は?」
言いながら顔を上げる。その顔を見た瞬間・・・。
へ?
ありえない光景に一瞬、思考が停止する。
見下ろす浅葱の着物の女性、その顔が・・・なかった。
目もない、鼻もない、口もない。
文字通り、正真正銘の・・・のっぺらぼう
「お客さぁあん・・・『桔梗』にもどりたいんですかぁ?」
口がないくせに軽妙に喋る。
あまりにも驚くと、人間、声が出ない。
ぱくぱくと口だけが動く。腰が抜けたようになったまま、後ろ手に後ずさる。
「大丈夫ですよぉ?お客さん!見てください!桔梗の部屋・・・いーっぱいありますからぁ♪」
パン!と大きな音がして、目の前の浅葱の着物の女性が風船のように弾けた。びっくりして一瞬目を背けると・・・。
「嘘・・・」
左右にある襖の上、その隣の襖の上、そのまた隣の襖の上、見渡す限り前にも後ろにも長く長く続く襖の全ての上にある木札に『桔梗』とあった。
もう・・・ダメかも・・・。
「だ・・・ダリぃ・・・」
情けない声が出ると同時に、涙も出た。そして、ついでに、若干だが、私は漏らしていた・・・。
神様・・・ほんっとーに、本当に、もう・・・いい加減に・・・してっ!

