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天狐あやかし秘譚
第7章 【第3話 狐狸の戦い】迷者不問(めいしゃふもん)
女郎花の部屋の中も真っ暗だった。誰もいない?と思った矢先、視界の端でカサカサと動く気配を感じた。
すごく・・・嫌な予感がする。

嫌な予感がするが・・・体が動かない。ぎぎぎ・・・っと目だけをそちらに向ける。見たくないのに、目を凝らしてしまう。

最初は人、だと思った。目がなれるにつれて見えてきた。中空に薄ぼんやりと見えた人の顔。女性、だろうか。よく時代劇の女性がしているような、丸髷を結っている。うつむいているので表情はわからない。

て・・・店員さん?だよね?

この辺はもはや祈りに近い。絶対にそんなわけはない。だって、こんなに暗いところでうつむいてじっと立ってるなんて・・・。怖すぎる・・・。

怖いなら見なきゃ良いのに、と思うが、目を離したらそれはそれで怖い。目を離した瞬間に襲いかかってきたら・・・と思ってしまう。

更に目が慣れて来ると、首から下が薄ぼんやりと見えてきた。な・・・なんで、首が浮いているように見えたのか、わかりました・・・わかりましたとも。

その女性の首の下・・・黒いんです。ただ黒いんじゃない・・・あれは・・・あれは・・・!?

「く・・・蜘蛛!?」

そう、丸髷を結った女性の首から下はそのまま蜘蛛のボディに繋がっていたのだ。

「ぎゃー!!!」

やばいやばいやばい!
曲がり神も怖かったけど、狂骨も怖かったけど・・・蜘蛛はもっとダメ!!!!

ガタガタガタと四つん這いになって、慌てて『女郎花』の部屋を逃げ出した。腰が抜けたように力はいらず、うまく進めないが、とにかく逃げなきゃという一心で手足を動かす。

いやあ!!!!

夢中で這いずるように逃げていると、ぽすんと、頭が何かに当たる感じがした。
これ・・・着物?

恐る恐る顔をあげると、浅葱の着物が目に入った。
浅葱の着物の人?注文取りに来た店員さん?

「お客さーん♪どうかなさいましたぁ?」
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