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天狐あやかし秘譚
第78章 怪力乱神(かいりきらんしん)
☆☆☆
結界内部、土御門/御九里ペア 対 ヤギョウの戦場は膠着の様相を示していた。

「なんやこいつ、強すぎやないか!?」
「土御門様!」

バチン、と土御門の左側で何かが爆ぜるような音がした。
瀬良が咄嗟に土公結界を巡らせたお陰で身体には届かなかったものの、この一撃で瀬良の結界も霧散してしまう。

ヤギョウの左手からは目に見えないムチのようなものがしなってきているようだ。腕を大きく振り回すたびに、周辺にいる陰陽師たち何人もが一気に倒されていく。これがヤギョウの振るっている何らかの力であるとわかった時にはすでに7〜8名の陰陽師が倒されてしまっていた。

「クソ、厄介な・・・馬鹿力だけやないんかいこの悪霊が!」
毒づいてはみたものの、土御門自身も、先程からこの不可知の攻撃を警戒し、なかなか近づけないでいた。

しかも、『頭』がない割には知能もかなり高いようで、土御門が大技を出すタイミングをずらすかのようにこまめに攻撃をしてくる。そして耐久力が高く、軽い攻撃は全く効果がないのだ。これらがヤギョウの攻略を非常に困難にしていた。

ー御九里の方も、同じような状況かい・・・

ヤギョウのムチは360度死角がなかった。そもそも頭がないことからどこを狙っているのかもよくわからない。手先のちょっとした動きをよく見てムチの動きを予測して躱すしかないのである。

ーこいつ、呪力だけとったとしても甲種レベルや・・・加えてこの多彩な攻撃手段・・・緋紅はどこでこんな大怨霊をひろてきたんや?

黄泉平坂の方に目を向ける。そちらに走っていったカダマシが大手を振るって、結界を張ろうとしている陰陽師たちを牽制し続けていた。

ー早よ、こいつ片付けて、あいつぶち殺さんといかんのに・・・・

キリリ、と時がまた、過ぎていった。
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