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天狐あやかし秘譚
第8章 針小棒大(しんしょうぼうだい)
ぐい、っと足を前に進めると、大鬼が後ずさる。気持ち、大きさが小さくなったようだ。

「や・・・やめろおぉ!!」

やっぱり、この槍が怖いんだ・・・。私はまた、一歩足を進めた。
槍の威力は信じているけど、やっぱり目の前の鬼は怖い。手も足もガタガタ震えてしまう。
それでも、今は、私がしっかりしなくちゃいけないんだ!

「やめろ・・・来るなぁ!」
みるみる鬼の身体が小さくなる。既に、大きさは2m位まで縮んでしまっている。
更に私が足を進めると、とうとう鬼の大きさは普通の大人くらいまで縮んでしまった。
ギュッと槍を握る手に力が入る。力を入れていないと、震えて槍を取り落としそうだ。

「く・・・くるなああ!!」

ぼう!と口から炎を吐いた。しかし、槍の前で二手に分かれ、私に当たることはない。
「おのれ!・・・く・・・くるなあ!いや・・・ダメだああ!!!」
鬼が吠える。
頑張る!私、頑張るよ!ダリ!

何がダメだ!!!この鬼め!

私は思いっきり槍を振り上げると、叫んだ!

「悪鬼・・・退散!!!」

そして、力いっぱい鬼の頭めがけて振り下ろす。

「や・・・やめてえええええ!!!」

ボコン・・・と、良い音がした。

ん?

目の前の鬼が膝から崩れ落ち、瞬く間に縮んでいく。
ぎゅうううううっと縮んで、縮んで・・・。

「きゅう・・・」

フサフサの尻尾、まんまるのお耳、茶色の毛並み、愛嬌のある顔立ち・・・
一見犬に似ているけど、これって・・・これって・・・

「た・・・たぬき?」

呆然とする私の目の前に、大きなコブを作った子狸がのびていた。
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