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天狐あやかし秘譚
第84章 【第16話 GD】雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)
どちらかというと、冴守よりも土門の方が私と近い性質を持っているように思う。研究熱心で、一つのことに夢中になると周りが見えなくなる。それに、とことん追求しないと気がすまない。ある意味学者肌。とても優秀で、陰陽寮の中でも特に土御門様からの信頼も厚いのだ。

ただ、そのあまりの変人ぶりから、人は暗に陽に彼女のことを「マッド・ソーサラー」などと呼んでいるのだが・・・。

まあ、あそこまで私はぶっ飛んではいない・・・つもりだけど、自分の性質と似てるなとは思う。だからこそ、この『占部衆』は私にとって理想の職場、なのだ。

やれやれ、といった様子で、その土門が再び同じ説明をしてくれた。多分、私の性格に対する理解があるのだろう、と勝手に思うことにする。

「都内で女子高生の行方不明事件が多発しているのです。まあ、いなくなっているのは高校生だけってわけじゃないんですが、女子高生が圧倒的に多い。今月だけですでに4人いなくなっているのです」

え?4人も!?

「類似の事件と思われるのは、今年の3月から発生していました。当時、同時に発生していた辻神事件にまぎれてしまっていたのですが、あちらより低い年代の子だということもあり、また、家出という線で捜査がなされていたことから、あまり捜査陣の目を引くことがなかったようです。しかし、今回改めて精査したところ、今年の3月からの同種案件と思われる行方不明者は累計で30人を超えていることがわかったのです。」

冴守が手帳を見ながら冷静にデータ面での情報の補強を行う。こういうところがまめまめしいのがこの男の特徴であった。

えええ!!!さ、30人!!

「今回、この件が陰陽寮に上がってきたのは、4日前に捜索願いが出された高校2年生の坂本愛理さんの件がきっかけなのです。どうやら、この愛理さん、ある日の夕刻に、自宅マンションの窓から裸足で失踪した・・・ということなのです。おかしいですよね?」
「ちなみに、坂本さんのお住いは、マンションの5階です」

家出をするにしても、裸足で、しかも、5階の窓から飛び降りるなんて・・・たしかにおかしい・・・というか、可能なのか?

「警察もさすがにこれはおかしいと判断し、呪殺班が動いたのです。結果、愛理の自室から押収されたのが、これ・・・」
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