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天狐あやかし秘譚
第84章 【第16話 GD】雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)

☆☆☆
ああ・・・びっくりしたー!!
飛んできたニャンコ先生を無事キャッチ。そして、この謎の吸引現象は、10分ほどで落ち着いた。
引っ張られる力がなくなったことから、ニャンコ先生は私の腕の中から飛び降り、地面にスタンと着地をする。はあ、やれやれと言っているかのように、またお気に入りの場所、私の研究机の椅子の上で丸くなっていた。
一体全体、こりゃどういうわけだ?
青い方は何も起きなかった。
黄色い方を飲んだらニャンコ先生が突然私に引っ張られてきた。
原理は今のところ不明だが、この錠剤。飲むと呪的なものを引き寄せてくる・・・という仕組みみたいだ。
そうか、今この部屋には私しかいなくて、しかも陰陽寮の結界と、部屋の四隅に張った水公結界の二重の結界で守られている。その中にいる呪的なものと言えばニャンコ先生だけ・・・だからニャンコ先生が引っ張られた?
これ、もし、外で飲んだらどうなったのだろう?
そこを考え始めた時、私は背筋にゾクリと冷たいものが走るのを感じた。
もしかして・・・。
私は猫神を部屋の外に出すと、もう一度、青と黄色の錠剤を容器から一錠ずつ取り出した。
唾液・・・いや、水か?
とりあえずビーカーに実験用の純水を入れ、スポイトで青い方にぽたりと一雫垂らしてみた。青い錠剤には私が予想した通りの『変化』が現れた。
やっぱり!
そして、もう一度、今度は黄色い方にも、ぽたり。そちらにも同様の『変化』が見られた。
予想通りの結果を得て、私は自身の仮説が正しいことを確認した。そして、確認するとともに、再びゾッとしたのだった。
こんなものが、高校生に出回っているなんて・・・
早く、なんとかしなくちゃ。
私は今、水をかけた錠剤を厳重に封印容器に保管すると、その他の実験用具を手早く片付けた。廣金くんに実験室を開けてもらうと、白衣を脱いで外出の準備をした。
猫神が私の意を汲み、足元にやってきて、「にゃー」と一声鳴いた。
「日暮様・・・一体どうしたんですか?」
何が起きているのかわからない廣金くんが戸惑いの声を上げる。私は今、実験で分かったことを手早く伝えると、土門への伝言を頼んだ。
ああ・・・びっくりしたー!!
飛んできたニャンコ先生を無事キャッチ。そして、この謎の吸引現象は、10分ほどで落ち着いた。
引っ張られる力がなくなったことから、ニャンコ先生は私の腕の中から飛び降り、地面にスタンと着地をする。はあ、やれやれと言っているかのように、またお気に入りの場所、私の研究机の椅子の上で丸くなっていた。
一体全体、こりゃどういうわけだ?
青い方は何も起きなかった。
黄色い方を飲んだらニャンコ先生が突然私に引っ張られてきた。
原理は今のところ不明だが、この錠剤。飲むと呪的なものを引き寄せてくる・・・という仕組みみたいだ。
そうか、今この部屋には私しかいなくて、しかも陰陽寮の結界と、部屋の四隅に張った水公結界の二重の結界で守られている。その中にいる呪的なものと言えばニャンコ先生だけ・・・だからニャンコ先生が引っ張られた?
これ、もし、外で飲んだらどうなったのだろう?
そこを考え始めた時、私は背筋にゾクリと冷たいものが走るのを感じた。
もしかして・・・。
私は猫神を部屋の外に出すと、もう一度、青と黄色の錠剤を容器から一錠ずつ取り出した。
唾液・・・いや、水か?
とりあえずビーカーに実験用の純水を入れ、スポイトで青い方にぽたりと一雫垂らしてみた。青い錠剤には私が予想した通りの『変化』が現れた。
やっぱり!
そして、もう一度、今度は黄色い方にも、ぽたり。そちらにも同様の『変化』が見られた。
予想通りの結果を得て、私は自身の仮説が正しいことを確認した。そして、確認するとともに、再びゾッとしたのだった。
こんなものが、高校生に出回っているなんて・・・
早く、なんとかしなくちゃ。
私は今、水をかけた錠剤を厳重に封印容器に保管すると、その他の実験用具を手早く片付けた。廣金くんに実験室を開けてもらうと、白衣を脱いで外出の準備をした。
猫神が私の意を汲み、足元にやってきて、「にゃー」と一声鳴いた。
「日暮様・・・一体どうしたんですか?」
何が起きているのかわからない廣金くんが戸惑いの声を上げる。私は今、実験で分かったことを手早く伝えると、土門への伝言を頼んだ。

