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天狐あやかし秘譚
第84章 【第16話 GD】雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)

応援を待つべきかもしれないけれど・・・
こうしている間にも、誰かがあの薬の餌食になっているかもしれない。
そう思ったら居ても立ってもいられなかった。
「お願い、廣金くん。私は先に行って、この薬の販売元、調べとくから、応援を呼んでもらって!」
そう言い残して、研究室を後にした。
後ろから廣金くんが「え!?ちょっ・・・ちょっと!」と声をかけてきていたが、私の気持ちは逸っていた。その気持のまま、走り出していたのだ。
でも、普段の私は臆病であり、通常は、こんな蛮行には及ばない。
絶対に、土門に報告し、体制を整えてから行動する。
そんな私がなぜ、こんな正義感に駆られたような行動に出たのか?
そう、このときの私は、自分でも知らず知らずの内に、黄色い錠剤の影響を、ほんの少し、受けてしまっていたのだ。
このときの判断を、私はものすごく後悔するハメになる。
この瞬間、私は後に「ゴースト・ドラッグ事件」と呼ばれることになる、この事案の当事者の一人になってしまうのだった。
こうしている間にも、誰かがあの薬の餌食になっているかもしれない。
そう思ったら居ても立ってもいられなかった。
「お願い、廣金くん。私は先に行って、この薬の販売元、調べとくから、応援を呼んでもらって!」
そう言い残して、研究室を後にした。
後ろから廣金くんが「え!?ちょっ・・・ちょっと!」と声をかけてきていたが、私の気持ちは逸っていた。その気持のまま、走り出していたのだ。
でも、普段の私は臆病であり、通常は、こんな蛮行には及ばない。
絶対に、土門に報告し、体制を整えてから行動する。
そんな私がなぜ、こんな正義感に駆られたような行動に出たのか?
そう、このときの私は、自分でも知らず知らずの内に、黄色い錠剤の影響を、ほんの少し、受けてしまっていたのだ。
このときの判断を、私はものすごく後悔するハメになる。
この瞬間、私は後に「ゴースト・ドラッグ事件」と呼ばれることになる、この事案の当事者の一人になってしまうのだった。

