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天狐あやかし秘譚
第85章 興味津々(きょうみしんしん)
☆☆☆
「・・・は大体、始末したはずだ」
「ここもバレちゃってるのかしら?」
「さあな」
「困るわ・・・」

夢の中で誰かが話しているような、そんな感じがした。身体がだるい。あちこちが痛む。
なんだろう・・・ここはいったい・・・?

やっと意識がはっきりしてきた。
目を開くと、そこは会社のオフィスのようなところだった。事務机が10ほど、2つの島を作っている。テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、正面の窓にはブラインドがかかっている。オフィス什器が壁際に据えられており、ドッチファイルがいくつも並んでいた。

一人の男が机の上に腰を掛けている。その向こうの窓際にある机には女が座っていた。窓を背にして机がこちらを向いているところを見ると、おそらく女性は男性の上司なのだろうと思われた。

縛られている・・・。

私はパイプ椅子のような簡素な椅子にロープで縛り付けられていた。特に腕は後ろに回され厳重に縛り付けられている。これでは印を結ぶことも難しい。

私、捕まったの?

そう思うと、心臓がバクバクと鳴り出す。こんな状況、陰陽寮に入寮してから一度たりとて経験したことがない。経験がないがゆえに、対処法も思いつかず、頭の中はパニックになりかかっていた。

ど、どうしよう・・・

あたりを確認しようと首を回すと、ズキッと後頭部が痛んだ。

「っち・・・」

思わず声を出すと、男が振り返った。顔には無精髭、背中の真ん中くらいまである洗いざらしたような髪を無造作にひとつにまとめている。黒いシャツに黒いダブっとしたカーゴパンツのようなズボンを履いているので、全身が黒尽くめだ。年の頃は30から40といったところだろうか。ついでに言えば、目つきが鋭く、何やら怪しい気配を纏っている。

こいつが術者か・・・

私は直感した。

「あら、お目覚めね」

奥の女性が声をかけてくる。こちらは男性の怪しさとは逆に、非常に普通だった。年の頃は40代中盤くらいだろうか、ブラウンの少し癖のある髪の毛が外ハネをしている、レイヤーボブ。すっきりとした襟のないジャケットと、しなやかに揺れるワイドパンツのセットアップ。首にふわりと巻かれたスカーフが巻かれており、全体的に上品な感じだった。
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