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天狐あやかし秘譚
第10章 合歓綢繆(ごうかんちゅうびゅう)
瀬良家は、300年以上前から土御門家の補佐を務める家柄だ。瀬良家の者は土御門家が執り行う祭祀や占術、祓えの補佐をする習わしとなっている。幼い頃から土御門家に使えるのだということを体の芯まで叩き込まれる。

そして、瀬良の女にはもうひとつ、重要な役割が与えられる。

土御門家の術者の霊力を高めるための、奉仕をするお役目だ。
それが、遠く中国古来より伝承されている、古代道教の流れをくむ、男女の交歓を通じた発気の術式である『房中術』を行うことである。すなわち、土御門家の男性術者の夜の相手をし、その穢(気涸れ)を祓うことが、瀬良の女には生まれながらに義務付けられているのだ。

そのため、6歳の時分から身体の手入れの方法を入念に習い、また、12の年からは既に男性を歓ばせる術を仕込まれていく。キスに始まり、手や口での陰茎の扱い方、舌や指を使い菊門を悦ばす術、己声、体臭、胸や手足を使って男性の性欲の昂らせる方法・・・。

13になれば、膣内の開発も始まる。年上の女性から手ほどきを受け、ゆっくりと、確実に膣を広げられ、クリトリスをなぶられ、性感帯を開発されていく。男のモノを心地よく受け入れるようになるのはもちろん、一族に伝わる秘薬を膣内に塗られ、内部がザラザラと陰茎を擦り上げるように改造もされてしまう。

そして、同時にアナルの調教も始まる。麻酔作用のある粘液質の秘薬を塗られ、指で拡張されるところから始まる。最初はくすぐったいだけだったのが、次第にアナルが拡張し、細い張り型を受け入れられるようになる。内部まで薬が浸透すると、じっくりと快楽を感じるまで刺激され続ける。膣口からダラダラと陰液を垂らし、よがり狂うようになるまで、1年位だったと思う。少しずつ太いモノを受け入れることができるようになるまで開発が進んでいくのだ。

こうして、瀬良の女は18になるまでには、その体中全てで男を喜ばすことができるように躾けられる。そうして、たった一人の術者を主にいただき、生涯仕えるのだ。

私にとっての生涯の主、それこそが土御門加苅だった。
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