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天狐あやかし秘譚
第10章 合歓綢繆(ごうかんちゅうびゅう)
バスタオルを取り、身体を拭き、セミロングの髪の毛を十分にタオルドライする。
その後、ボディミルクをふんだんに、ついで良い香りのするボディオイルを丁寧に体全体に擦り込んでいく。この香りは彼が好きなものだ。夜の仕事の際には必ずつけるよう言われている。そう言われてはいるものの、別に強制されているようには感じない。私自身も、このオイルを使ったときの肌のしっとり感と、全体的にふんわりと柔らかな匂いを纏っている感覚は嫌いではない。実は、夜のお仕事がない時も使っているくらいだ。

バスタオルを身体に巻き、パウダールームでドライヤーを掛ける。少し、髪の毛にブラシをいれ、準備は完了だ。

全裸でバスルームを出る。いつだったか、タオルを巻いたまま出たら「色気ない」と一蹴されたことがある。それ以来、バスルームを出る時は、全裸で出ることに決めていた。

窓の外にはきらめく都会の街並みが星の海のように広がる。シティビューのスイートルーム。経費で泊まるホテルにしてはとてもゴージャスだが、これも天下国家を守護する陰陽寮、その一流術師の特権、というわけだ。

「相変わらずゆっくりやな。シャワー・・・おっそいな、瀬良ちゃん。」

瀬良ちゃん言うな・・・。

間接照明がほのかに照らすダブルベッドの上、備え付けの雑誌をめくりながら待っていたらしい彼は、ニヤニヤと笑いながら言う。彼もまた全裸で、上掛けをかけている。

彼の名前は土御門加苅(つちみかど かがり)

宮内庁陰陽寮陰陽部門の祓衆(はらえしゅう)の中でも最高位の術者。陰陽寮の中で、長官に当たる陰陽頭(おんみょうのかみ)に次いで高い位である『助の一位』という位階を授けられている。陰陽寮実戦部隊の最高位である彼は、実質上、この日本で最強の術者と言える。

「はよきてや。もう、待ちくたびれたわ・・・」

上掛けを払い、私をベッドの上に誘う。歩み寄って、ひざまずく。これは、けじめだ。
「瀬良夕香・・・土御門様にお勤めさせていただきます」
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