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天狐あやかし秘譚
第98章 大信不約(たいしんふやく)
家の前にある街灯がパチパチと瞬きするように明滅したかと思うと、ふっとろうそくを吹き消すように消えた。それとほぼ同時に、向かいの家でバチンと音がして窓の向こうで火花のようなものが上がっているのが見える。

そうかと思うと、反対側の家から何やら女性の悲鳴のようなものが・・・

や・・・やっぱり、なにかすごく悪いことが起こっている・・・!?

「だ、ダリ!あれ・・・」

振り返ったときにはダリはすでに狐神モードになっており、その手には退魔の神槍たる『天魔反戈(あまのかえしのほこ)』が握られていた。

「綾音・・・案ずるな・・・あのような雑霊などには、お主の毛先ひとつ触れさせはせん」
バチッ、とその全身に青い稲妻が纏い付くように走る。それはダリの莫大な妖力が見せる、一種の幻影のようなものだ。

で、でも・・・
こんな所でダリが本気出してあれらを祓ったら!?

ダリの力は強大だ。しかし、その術や技の多くは、雷や槍の斬撃といった具合にかなり強い衝撃を周囲に撒き散らすものばかりだ。

この住宅街のど真ん中で、あれだけの数の魑魅を祓おうと力を使えば、周囲の人にその力がバレてしまうばかりか、建物の損壊も招きかねない。

「ちょ、ちょっと待って!ダリ。ダリが本気で暴れたらみんなに気づかれちゃうよ!」
私の言葉に、衣が舞い上がるほど妖気を高めていた彼が少し落ち着く。
「しかし、放っておけばいかに雑霊とは言え、人に障りを引き起こさんとも限らぬぞ?」

そ・・・それはそうだけど・・・

今から陰陽寮に電話して誰かにきてもらうか・・・いや、それも時間が・・・などと考えていると、横で佐那が私のルームウェアの裾をクイクイと引っ張る。

「綾音様・・・綾音様も『巫女』の力をお持ちでありましょう?それならば妙案がございます」
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