この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第11章 【第4話 女怪】福善禍淫(ふくぜんかいん)
「清香ちゃんよね?一番最初に走っていったの?なんで、分かったの?」
そう、この女性の危機をいち早く察知したのは誰でもない清香ちゃんだ。彼女が走っていったからこそ、私たちも駆けつけ、結果的にダリがこの女性を救うことができた。

清香ちゃんはえーとねーと、人差し指を口に当てる。
「声が・・・たすけてって。だから・・・」
助けを呼んだ?それが清香ちゃんに聞こえたというのだろうか?

ちなみに、芝三郎もダリも、もちろん私も、そのような声は聞き取れなかった。
清香ちゃんにだけ聞こえたのかな?

でも、だとしたら・・・もしかして・・・。

清香ちゃんは死ぬ前に母親を目の前で殺害されている。それを救えなかったことを後悔して、ずっとずっと常世に行けずに苦しんでいた。だからこそ、誰かが助けを求める声に私達より敏感なのかもしれない。彼女をこの世に結びつけている、縛り付けている気持ちは、『助けたい』に他ならないのである。

そっか・・・。それを思うと胸が痛い。私は清香ちゃんの頭を撫でた。
へへへへ・・・と彼女は無邪気に嬉しそうにする。その笑顔はなんだか救いだ。
もし、この人を救えたことが、清香ちゃんの悔恨を少しでも和らげるなら良いのだけど・・・。

「う・・・うん・・・」
女性が目を覚ましたようだ。まぶたがぴくぴく動き、そっと目を開く。
「大丈夫ですか?」
声をかけると、上半身を起こし、周囲を見た。
「ここは?・・・私、なんでこんなところに?」
/172ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ