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天狐あやかし秘譚
第100章 死中求活(しちゅうきゅうかつ)
そうだ、お母さんが守ってくれたのに、私はその事をすっかり忘れて10年間、暮らしていた。せっかくお母さんが生命に代えて作ってくれた猶予だったのに・・・!
最後の時を予感してぎゅっと私は目をつむった。
しかし、何秒待っても、その「時」は来ない。もしかして、もう私は死んでいるの?そんな事を考えながら、ゆっくりと目を開く。もしかしたらこれまでのことは全て夢で・・・なんてことも考えたが、やっぱり目の前にはあの獣がいた。
ただ、獣は私ではない方を向いている。
私から向かって右の上方を見て、目が三日月のように歪んでいた。それは至福の笑みを浮かべているようにすら見える。
「なんだ・・・オレの結界(なわばり)に・・・なにかが入ったな・・・なんだ・・・なんだ・・・この匂いは・・・」
スンスンと鼻を鳴らす。私の方を目だけを動かしてちらりと見たが、まるでなにか別のご馳走を見つけたかのように私を置いて右手に走り去った。
はあああ
・・・はっ、はっ、はっ、はっ・・・
大きく息をついた私は、やっと今まで自分が息を止めていたことに気づいた。必死になって、体中で酸素を求めるように息をする。
獣が見えなくなった途端、体中がブルブルと震えて止まらなくなった。
「い・・・一体、何がどうしたの!?」
とにかく、闇の獣が私から興味を失ったのは間違いない。それは一時的かもしれないけれども、逃げるなら今しかない・・・そう思った。
まだ笑っている膝をなんとか押さえつけ、立ち上がると、くじいた足を引きずりながら私は獣が去ったのとは反対方向に歩を進めた。
最後の時を予感してぎゅっと私は目をつむった。
しかし、何秒待っても、その「時」は来ない。もしかして、もう私は死んでいるの?そんな事を考えながら、ゆっくりと目を開く。もしかしたらこれまでのことは全て夢で・・・なんてことも考えたが、やっぱり目の前にはあの獣がいた。
ただ、獣は私ではない方を向いている。
私から向かって右の上方を見て、目が三日月のように歪んでいた。それは至福の笑みを浮かべているようにすら見える。
「なんだ・・・オレの結界(なわばり)に・・・なにかが入ったな・・・なんだ・・・なんだ・・・この匂いは・・・」
スンスンと鼻を鳴らす。私の方を目だけを動かしてちらりと見たが、まるでなにか別のご馳走を見つけたかのように私を置いて右手に走り去った。
はあああ
・・・はっ、はっ、はっ、はっ・・・
大きく息をついた私は、やっと今まで自分が息を止めていたことに気づいた。必死になって、体中で酸素を求めるように息をする。
獣が見えなくなった途端、体中がブルブルと震えて止まらなくなった。
「い・・・一体、何がどうしたの!?」
とにかく、闇の獣が私から興味を失ったのは間違いない。それは一時的かもしれないけれども、逃げるなら今しかない・・・そう思った。
まだ笑っている膝をなんとか押さえつけ、立ち上がると、くじいた足を引きずりながら私は獣が去ったのとは反対方向に歩を進めた。

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