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天狐あやかし秘譚
第100章 死中求活(しちゅうきゅうかつ)
があああっ!!

奇妙な獣が唸り声を上げ、よだれを撒き散らしながら襲いかかってくる。私は身を低くして方向転換をしてなんとかそれを躱す。

『できるだけ近くに惹きつけて・・・そして地面に投げつけなさい』

方向転換をした拍子にころんだ私を見て、好機と思ったのか、獣がゆっくりと近づいてくる。それこそ、私の狙い通り!
すでに、石釘は地面に突き刺してあった。

『最初の言霊はこうです』

「土公捕縛界!」

私の言霊に応じて、その石造りの呪具は黄色く光り輝き、さらにボワッとそれを中心にして光が円筒形に伸びる。それはあやかしを捕らえる土気の結界だった。

「ぐうぅう・・・」

黒い獣がまんまとその結界内に囚われる。しかし、この術はこれで終わりではない。

『そして、この術は二段構えです。結界に囚われた妖魅は土の呪力に侵されます』

円筒形の結界内に不自然なひび割れが走る。土は自然界では『土用』つまりは季節の変わり目を表す。あらゆるものが定常ではなく移ろっていくことの象徴・・・それが土の術式の本質。この術はあやかしの『永遠』に対して、強引に『変化』を書き込み滅殺する術式・・・。その呪力を発動のための最後の言霊・・・それは・・・

記憶の中の宝生前の言葉が私の声と重なる。

お願い!宝生前さん・・・
力を貸して!!

「「黄龍滅殺陣!」」

バリバリバリっ!!

一気にひび割れが妖魅の身体を打ち砕いていく。そのまま円筒形の光そのものまでもが光るガラスのようになってバラバラに砕け散った。

ぎやああああああ!!!

黒い獣が全身から赤黒い血を吹き出し、ドサリと地面に倒れ込んだ。

はあ・・・はあ・・・はあ・・・

呼吸が荒い。恐怖のあまり身体が、手が、足がブルブルと震えしょうがない。
とにかく少しでもあやかしから距離を取ろうと手でずって後ずさっていた。

や・・・やったのかな・・・?

見たところ、全身から血しぶきを吹き出して倒れたあやかしはピクリとも動かない。なんとなく、勝った・・・気もする。
母は大丈夫だろうか・・・

そう思って首を回し、母の方に目をやった。どうやら怪我をしている様子はないみたいだ。しかし、そんなふうにほっとしかけたのも束の間、腹の中の佐那が鋭く声を上げた。

「綾音様!まだです!!」

っ!?
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