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天狐あやかし秘譚
第101章 純粋一途(じゅんすいいちず)
しまった・・・!この空間、端っこなんて端からないんだ・・・円形、もしくは球状に閉じてるんだ・・・
私が歯噛みをしていると、メリリッという奇妙な音を感じた。どうやら、獣が女の子の首を握っている腕に力を込めているようだ。『ぐうぅ』と女の子が苦悶の表情を浮かべる。ぐったりとして気絶しているのかと思ったが、弱ってはいるものの、かろうじて意識はあるようだった。私に見せつけるためだろうか、獣は更に力を込めようとしているように見えた。
いけない!
今回、私は咄嗟に動くことができた。
右手に短い石釘を持ち、母に向かって走る。私の動きが予想外だったのか、獣が一瞬躊躇する様子を見せた。
今だ!
母に施した結界を盾に取るようにして近づき、石釘を獣の足元の地面を目掛けて投げつける。方向を精密に調整する事はできないが、あそこまで近接していれば、女の子には術が当たらないはず!
「中央 黄龍 思慮 打ち締めよ!」
私は石釘の呪力を解放する言霊を唱える。この言霊により、術者と石釘をつなぐ線の延長線上に扇型に神経系に作用する衝撃波が発生するのだ。
術名を『石気揺動』という。
地面に落ちた石釘が私の言霊に呼応してブウンと音を立て微細な振動を始める。それはたちまちのうちに大きくなり、目の前の敵の脳髄を揺さぶり尽くす衝撃波となって炸裂する。
があぁ!!
足元から爆発的に広がった衝撃のせいで、獣が手を一瞬緩めた。その隙に女の子が獣の手を振り払って、こっちに逃げてくることに成功する。
がはっ!
しかし、この簡易な術が致命傷を与えられるわけもなく、獣はすぐに顔を起こし、こちらに向けて怨嗟に溢れた視線を注いでくる。そして、大きく息を吸うと、大気を揺るがすほどの咆哮をあげた。
「があああぁあああああっ!!!」
ビリビリと体中が震えるほどの恐ろしい声。心ではなく、体全体で恐怖を感じる。足が・・・竦んでしまって動けない・・・
それは私の隣りにいる女の子も同じだったようだ。尻餅をついたままガタガタと震え、目から涙を流している。私の方も心臓が早鐘のように打ち、今、自分が息を吸っているのか、吐いているのかすらわからなくなっていた。
私が歯噛みをしていると、メリリッという奇妙な音を感じた。どうやら、獣が女の子の首を握っている腕に力を込めているようだ。『ぐうぅ』と女の子が苦悶の表情を浮かべる。ぐったりとして気絶しているのかと思ったが、弱ってはいるものの、かろうじて意識はあるようだった。私に見せつけるためだろうか、獣は更に力を込めようとしているように見えた。
いけない!
今回、私は咄嗟に動くことができた。
右手に短い石釘を持ち、母に向かって走る。私の動きが予想外だったのか、獣が一瞬躊躇する様子を見せた。
今だ!
母に施した結界を盾に取るようにして近づき、石釘を獣の足元の地面を目掛けて投げつける。方向を精密に調整する事はできないが、あそこまで近接していれば、女の子には術が当たらないはず!
「中央 黄龍 思慮 打ち締めよ!」
私は石釘の呪力を解放する言霊を唱える。この言霊により、術者と石釘をつなぐ線の延長線上に扇型に神経系に作用する衝撃波が発生するのだ。
術名を『石気揺動』という。
地面に落ちた石釘が私の言霊に呼応してブウンと音を立て微細な振動を始める。それはたちまちのうちに大きくなり、目の前の敵の脳髄を揺さぶり尽くす衝撃波となって炸裂する。
があぁ!!
足元から爆発的に広がった衝撃のせいで、獣が手を一瞬緩めた。その隙に女の子が獣の手を振り払って、こっちに逃げてくることに成功する。
がはっ!
しかし、この簡易な術が致命傷を与えられるわけもなく、獣はすぐに顔を起こし、こちらに向けて怨嗟に溢れた視線を注いでくる。そして、大きく息を吸うと、大気を揺るがすほどの咆哮をあげた。
「があああぁあああああっ!!!」
ビリビリと体中が震えるほどの恐ろしい声。心ではなく、体全体で恐怖を感じる。足が・・・竦んでしまって動けない・・・
それは私の隣りにいる女の子も同じだったようだ。尻餅をついたままガタガタと震え、目から涙を流している。私の方も心臓が早鐘のように打ち、今、自分が息を吸っているのか、吐いているのかすらわからなくなっていた。

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