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天狐あやかし秘譚
第12章 鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)
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【鬼哭啾啾】悲惨な死に方をした者の浮かばれない亡霊の泣き声が、恨めしげに響くさま。
この恨み・・・晴らさでおくべきか〜、みたいな。きゃーこわい!
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『佳苗、愛している』とあなたは言ったじゃない。
倖田令児、あなたの名は忘れない。

あなたにとっての『愛している』は単なる気を引くための気の利いたセリフだったのかもしれないけど、私にとっては生涯を掛けるに値するほどの言葉だった。

入社した会社での何度目かの飲み会。同僚の友人としてあなたは参加していた。
あまり強くないお酒で酔ってしまった私はいつになく饒舌になり、あなたとよく話が弾んだのよね。

考えてみれば、同じ趣味があったわけでもない、なにか好きなものが一緒だったわけでもない。あなたが私に話を合わせてくれていただけだったと今はわかる。でも、その時は初めて男性と楽しく話ができて、私は浮かれていた。

「次は、二人きりで飲みに行かない?」
耳元で囁かれて、バカな私はあっさりオッケーしてしまった。

二度目のデートも楽しかった。映画見て、軽くバーで飲んで、駅まで送ってくれて、そこで、キスした。

その時、あなたは『こんなに話の合う人は初めてだ』『愛している』なんて、言っちゃって。
後から考えると笑っちゃう。たった二回会っただけで『愛している』なんて・・・。でも、その時の私は信じてしまった。優しいあなたの言葉に、紳士的なあなたの振る舞いに、すっかり騙されてしまったのね。

だから、三度目のデートで、車で遠出しようと言われても、警戒心を抱くことができなかった。合計しても5〜6時間しか一緒にいなかった人の何がわかるっていうの?

バカな私は、のこのこ、車に乗ってしまった。

その後はお決まりというか、お約束というか・・・。

あなたが勧めてくれたコーヒーを飲んだら、急激に眠くなってしまった。薬、盛られたのね。気づいたら、どこかのロッジのようなところにいた。
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