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天狐あやかし秘譚
第14章 暗雲低迷(あんうんていめい)
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【暗雲低迷】なにか重大事件がおこりそうな不穏な情勢。
先行きに黒雲が立ち込めてて、どうしましょう!?困っちゃう、みたいな。
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女は、走っていた。

女の目に映る街は異常の極みだった。夕暮れを過ぎた住宅街であるとはいえ、池袋という繁華街に近い立地である。人がいないなどということはありえない。

だが、周囲を歩いている者はいなかった。
正確には、周囲を歩く『人間』はいない。

その代わり、身体のあちこちが欠損し、腐食し、爛れた影のような女の妖魅がそこかしこに蠢いていた。

人がいないのにはふたつ理由がある。
ひとつは、怪異が満ちていることで、通常の精神を有する人間は本能的に外出を忌避する、という事実。
二つ目は、怪異を抑えようと張られている守護星辰結界の効果。

怪異が持つ陰気を鎮め、陽気を身に宿している生きた人間を侵食することを防いでいる。この結界の元、陽気を持つ人間はその活動性を著しく減退させる。すなわち、眠くなるのだ。

しんと静まり返った街。この半径3キロほどの街の人間は殆どが眠りについている。故に、東京にあるまじきほどの静寂が訪れていた。

その異様な街を一人の女が疾風のように走っていた。

ある地点に差し掛かると、女は背負っていたリュックから直径20センチ、高さ15センチほどの大きさの筒状の黒い物体を取り出し、据えた。

「あと、2箇所・・・」

呟くと、また、女は走った。
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