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天狐あやかし秘譚
第124章 二転三転(にてんさんてん)
ダリは妖力で足を再生させ素早く立ち上がると、槍をくるりと一回転させて中段に構える。その切っ先はスクセがすがりついている八握剣に向けられていた。
『主にはまだ聞かねばならぬことがあるのでな・・・』
ダン!と猛烈な踏み込みで流星のように槍を突き出す。だが、スクセもまた、ただうずくまっているわけではなかった。機会を伺い、力を溜めていたのである。ダリの突進に合わせて立ち上がりざま、大地から引き抜いた八握剣を下から上に振り上げる。
「天狐ぉお!!!」
三日月のような残光を放ち、爆発的な神力を纏った剣戟がダリをその槍撃ごと打ち払おうとする。
「くっ!」
今度は天狐が虚を突かれる番だった。あともう少し踏み込んでいたら、八握剣の間合いに入り込むという所で、なんとか踏みとどまり、強引に体をそらしてスクセの渾身の剣戟を避けた。
だが、完全に避けられたわけではない。無理な態勢で避けたのが災いし、八握剣から放たれた衝撃波によってその身体は大きく弾かれてしまう。ダリは背後にあった山肌にその身をしたたかに打ちつける事になった。
そこに残った力を振り絞ったスクセが、八握剣を振り上げ迫ってくる。その剣には、彼女の生命力だけではなく、願いすらこもっていた。
『お願い・・・これで・・・これで終わりにしてっ!!』
爆発的な力の奔流が身に迫る中、息をつまらせたダリの挙動が一瞬遅れる。それはほんの一瞬ではあったが、この拮抗する戦いの中では致命的とも言える遅れだった。
「うぉおおおおおおぉおおっ!!!」
切っ先に五段目の権能のすべてを乗せ、スクセが剣を振り下ろしてくる。それは回避のために引き寄せた槍が間に合わないほどのスピードだった。
『間に合わぬ!?』
静まり返った暗い森を切り裂くようにして神の権能を宿した剣戟がダリの命を刈り取ろうと、その眉間に振り下ろされようとしていた。
『主にはまだ聞かねばならぬことがあるのでな・・・』
ダン!と猛烈な踏み込みで流星のように槍を突き出す。だが、スクセもまた、ただうずくまっているわけではなかった。機会を伺い、力を溜めていたのである。ダリの突進に合わせて立ち上がりざま、大地から引き抜いた八握剣を下から上に振り上げる。
「天狐ぉお!!!」
三日月のような残光を放ち、爆発的な神力を纏った剣戟がダリをその槍撃ごと打ち払おうとする。
「くっ!」
今度は天狐が虚を突かれる番だった。あともう少し踏み込んでいたら、八握剣の間合いに入り込むという所で、なんとか踏みとどまり、強引に体をそらしてスクセの渾身の剣戟を避けた。
だが、完全に避けられたわけではない。無理な態勢で避けたのが災いし、八握剣から放たれた衝撃波によってその身体は大きく弾かれてしまう。ダリは背後にあった山肌にその身をしたたかに打ちつける事になった。
そこに残った力を振り絞ったスクセが、八握剣を振り上げ迫ってくる。その剣には、彼女の生命力だけではなく、願いすらこもっていた。
『お願い・・・これで・・・これで終わりにしてっ!!』
爆発的な力の奔流が身に迫る中、息をつまらせたダリの挙動が一瞬遅れる。それはほんの一瞬ではあったが、この拮抗する戦いの中では致命的とも言える遅れだった。
「うぉおおおおおおぉおおっ!!!」
切っ先に五段目の権能のすべてを乗せ、スクセが剣を振り下ろしてくる。それは回避のために引き寄せた槍が間に合わないほどのスピードだった。
『間に合わぬ!?』
静まり返った暗い森を切り裂くようにして神の権能を宿した剣戟がダリの命を刈り取ろうと、その眉間に振り下ろされようとしていた。

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