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天狐あやかし秘譚
第15章 進退両難(しんたいりょうなん)
☆☆☆
「こっかな?」
土御門が差したのは、「ライブラリー」と表示のある両開きの扉だった。中から異様な妖気が漂っているのが分かる。

一応エレベーターが生きていたが、どの階に目的の女怪がいるか分からない以上、しらみ潰しで当たらざるを得ない。階段でワンフロアずつ上がり、気配を探っていく。

やっぱ、占部衆をつれてくるべきやったわ。

このマンションは地上32階、地下2階だった。人間が住んでいるところにいるというのは考えにくいので、共用部分を中心に当たったところ、地上2階にあるライブラリーから強い気配を感じたというわけだ。地下から探っていったので、それなりに時間がかかってしまった。

「そんじゃ、開けるで」
せーのっと、両開きの扉を一気に引き開ける。

な!?

そこに広がる異様な光景に、土御門は目を見張った。

内部はフロアの半分ほどの面積に机が10以上置かれたライブラリースペースだったが、その机のいくつかに男性が寝かされている。
最も不気味だったのは、そこにいるどの男性にも四肢がないように見えたことだった。

四肢のない男性に女怪がまとわりつき、舌で肌をベチャベチャ舐め回し、陰茎をしごき、淫らな表情でキスをしている。男たちは死んではいないようだが、皆身体を痙攣させ、白目をむいている。意識はおそらく混濁しているだろう。

ちっ!

生きてる人間をいたぶってるとは思わなかった。

土御門は将軍剣の鞘を抜くと地面に突き立て、呪言を奏上した。

「北斗、星辰、泰山府君に願い奉る!
 刃、千尋となりて、厭魅祓い清め給え!」

一瞬の内に、突き立てた宝剣から閃光が数条走り、妖魅を撃ち抜く。金気の術式『七星閃光』。金器を媒介にレーザーのような光を召喚する術である。

数十体の女怪が眉間を撃ち抜かれ消滅する。剣を脇構えにし、部屋の中に躍り込む。
「天狐!人間の保護を!」
とは言ってみたものの、こちらが言うより早く天狐も動いていた。実際は、土御門が七星閃光を放ったと同時に光に乗じて部屋に飛び込み、机の上でイモムシのように転がっている3人の男性を救っていた。
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