この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第16章 往事茫茫(おうじぼうぼう)
光が私の足に結び付けられた糸から広がり、私の全身を包む。
その光が黒い女たちの影を打ち払った。

「があああ!」

最初に現れた黒い女性だけが最後までしぶとく残る。この声、この顔・・・
あなた!

「河西佳苗さん!」
「あんた!おかしいよ!恨めよ!憎めよ!・・・なんで許せるんだよ!自分以外の女抱いている男を!嘘ついた男を!なんでだよぉぉぉぉ!!!」
光は更に輝度を増し、河西は顔を両腕で覆い、もがき苦しむ。そのまま悲鳴とともに他の影と同じくかき消えた。

光が消える。同時に、私の身体を途轍もない虚脱感が襲った。立っていられず、思わず両手両膝をついてしまう。

息が荒く、汗が体中から吹き出した。

「あれが・・・女怪?」
大きく、肩で息をする。もう少しで、もしかしたら私も、女怪になってしまっていたのかもしれない。そうならなかったのは、この糸とそれから清香ちゃんや芝三郎のおかげだ。

「綾音・・・」
声がした。ゆっくりと顔を上げて振り返る。私がうずくまっているすぐそこに、いた。

ダリだった。
そっと、私を抱き起こしてくれた。

「済まない・・・。守ると言いながら、また、主に守られた」
「ダリ・・・私・・・私・・・」
想いが溢れて、言葉にならない。もう、会えないかと思った。一回、気持ちがぐちゃぐちゃになった。でも、優しい顔、瞳、声・・・離れていたのはたった1日なのに、その何もかもが愛おしかった。
「必ず来ると、思っていた」
その言葉が、とても嬉しかった。

互いに顔を近づける。そっとダリと私は口づけを交わした。
/671ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ