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天狐あやかし秘譚
第17章 大声疾呼(たいせいしっこ)
「今度こそ!押し返せえええええ!!」
土御門が剣を振り下ろし、ダリが槍を持って突進する。ダリが槍を突き出し、暗闇の核をとらえると、闇の塊が鼓動するかのように震え、ボロボロとその周囲から崩れ始めた。

「押せ!」
土御門が更に気合を込める。ジリジリと鬼道の周囲が削れていく。しかし、中から湧き出す闇もまた勢いがあり、両者は拮抗しているかのように見えた。

「もう少しなのに!!クソ!結界、出力上げーい!」
土御門が言うと、後ろに控えている設楽が無線で何やら指示を伝えている。おそらく、ビルの屋上などに控えている祭部に結界強化の指示を出したのだろう。

「土御門さん!早く!あんま長く押さえられん!」
河西の背中を石剣で押さえつけている左前が悲鳴を上げる。河西が必死に起き上がろうとしており、その力に負けそうになっているようだ。

「ぐああああ・・・仲間・・・呼べないいい・・・なんでええ!?」
どうやら、左前があの石の剣で押さえている限り、河西は女怪を呼び出すことができないらしい。前の時はあの鬼道から女怪を溢れかえらせたことでダリや土御門の術を破ったというので、左前が河西を押さえつけていることはほとんど生命線と言ってもいいのだろう。

結界が強くなったようだ。お陰で更に鬼道が小さくなる。ダリと土御門が更に力を込めた。ボロボロと鬼道が崩れていく。

「やめろ、やめろ、やめろおおお!私の居場所なんだ、私の、私のぉ!!!」
河西が喚き、嘆き、悶える。

「私を、私だけを、私をぉ!!愛してくれるってぇ・・・いっったのにいいい!!」

その言葉はおぞましい妖魔の叫びではあったが、私には悲鳴に聞こえた。悶え苦しみ、哀切を極めた女の悲鳴に・・・。
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