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天狐あやかし秘譚
第2章 秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
☆☆☆
「なあ・・・瀬良ちゃん〜。ほんま、ここでおうてるの?」
ちゃん付けで呼ぶなよ、と心のなかで毒づきながら彼の方を見やる。
一応立鳥帽子に渋茶の狩衣という退魔時の正装をしていながら、しゃがみこんで地面に木の枝でなにか落書きめいたものを書いている。

天下の陰陽寮の【助の一位】、実質上実戦部隊のトップである術師がウンコ座りすんなよ、ヤンキーか。
ただ、顔には出さない。一応上司だ。

「陰陽博士占部(おんみょうはかせうらべ)の土門様の式占盤によるものです。間違いないかと。」
ふーん、と関心なさそうに一声発する。ぼけっと空を見ている様子がなんとも間抜けっぽい。
「でも、なーんもおらへんよ、この家」
確かに・・・。私も目の前のあばら家を見る。まったく厭魅の気配を感じない。

「ま、昨日まではおったようやな。ほれ」
手に持った木の棒でぞんざいに指し示す先を見ると、彼の足元に描かれた陣の一部が鉄色に焦げたようになっている。残穢だ。

「きれーに祓ってあんな。瀬良ちゃん、気ー付きへんかったやろ?」
確かに・・・。己の未熟さに歯噛みする。言われなければわからないほどの妖力の残滓。彼は星印を用いていともたやすく検出してみせた。

【助の一位】の階位は伊達じゃない。
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