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天狐あやかし秘譚
第2章 秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
「誰や?こんなん、陰陽頭(おんみょうのかみ)でも、ここまできれーに祓うのはムズイで。」
ぽいっと、持っている木の枝を放り出す。ぐっと伸びをするように立ち上がった。
「まあ、ええわ。仕事せんでも終わった思えば、もうけもんやな。帰ろか、瀬良ちゃん」
さっさと車に向かって歩いていってしまう。私はチラッとあばら屋を振り返った。

ここ数年で何十人もの人間が、この山中で不自然な圧死を遂げていることが確認されている。東北地方局の報告で事件の怪異との関連性が明らかになったのが今年に入ってから。その後、詳細な調査を経て、卜占の専門家である占部衆が1ヶ月以上かけてやっと、ここにいる『曲がり神』の正確な場所及びそれが住まう異界への侵入方法を解明したのだ。
そして、それができたからこそ、私達は急いでこの東北の山奥まで来たはずなのに・・・。

彼の言葉を信じれば、確かに昨日までいたという曲がり神・・・仮にも『神』の名を冠するものをここまで綺麗さっぱり祓った?誰が?通常の術者では祓いの儀式だけでも1週間はかかるものを?そんなろうそくを吹き消すみたいに消してみせたというのか?

だとすれば、それを成し遂げた者こそ怪物だ。

彼はまったく気にしていないようだが、私は気になって仕方がない。
何か・・・悪いことが起こっているのではないかと思ってしまう。

「瀬良ちゃーん」
車のそばで彼が私を呼ぶ。ちゃん言うな!と再び思うが、取り敢えず慌てて追いかけることとした。彼は腕は立つが、性格が悪い、その上、ときに悪ふざけが過ぎることがある。下手すると山中に私を置いていくことなんて簡単にやってのける。

上司じゃなければ叩きのめしたい・・・。

「ただいま参ります!お待ち下さい、土御門様!」
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