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天狐あやかし秘譚
第18章 【第5話 木霊】隋珠和璧(ずいしゅかへき)
「それだって、『何も言わずに向かわせる』なんてことしなくても・・・」
机を拭き終わり、台ふきんを手にしたまま土御門様の方を見る。
「お偉いさんの中には、まだあの子らの実力を信じてないやつもおるみたいや。探査性能、戦闘能力、その他諸々、一気に見るための実技試験っちゅーわけや。」
いやらしいキャリア連中の考えそうなことだ。

祓ってくれればやっかいな物件の処分がタダでできる。
祓えなかったとしても、彼らの目の上のたんこぶである陰陽寮のへの牽制になる。

どっちに転んでも彼らに損はないってことだろう。

「そもそも、土御門様が祓えばよろしかったのでは?」
言ってしまってから、ちょっと冷たかったかしらとやや反省する。

「うーん・・・せやけどなあ・・・めんどいやん。調べるところからやなんて・・・」
前言撤回。これくらい冷たくしても、我が主には全く関係ないようだ。

「大丈夫ですかね・・・。綾音さんたち・・・」
ポツリと本音がこぼれてしまう。
「ま・・・なんとかするやろ、あの天狐なら」

土御門様がぐいっと天を仰ぐ。
別にそこにはなにもない。陰陽寮の古風な電灯が揺れる天井が、目に映るだけだろうに。
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