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天狐あやかし秘譚
第19章 拈華微笑(ねんげみしょう)
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【拈華微笑】言葉を使わず、心から心へ伝えること。また、伝えることができること。
一番大切なことは、きっと言葉にはならないけど、伝わるんだ、みたいな。
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私達は、一旦綿貫亭を離れ、駅近くにあるカフェにいた。
私は綿貫亭で体験したことを瀬良とダリに伝える。ちなみに清香ちゃんと芝三郎は私と瀬良が頼んだケーキセットのケーキを食していた。

「綾音様にだけ、その怪異は視えたのでしょうか?」
「我には視えなかった」
「そう・・・みたいです。芝三郎も清香ちゃんもわからなかったみたい。音が鳴ったり、物が飛んだりというのは当然わかるにしてもですよ・・・」

なるほど・・・と瀬良は呟く。考え込んでいる顔がすごく理知的だ。

「綾音様が視たビジョンがもし、その怪異の『記憶』だとするならば、その怪異とは『木霊』なのかもしれません。木霊は神に近い存在ですし、自分から姿を表そうとしなければ視えないのは納得です。そうか、だから・・・」
瀬良が何かを言いかけて、はっと気づいたように口ごもる。
「なぜ、綾音様にだけ視えたのかは不明ですが、とにかく、綿貫亭で暮らすには、その怪異を鎮める必要がありますね」
確かにそうだ。でも、あの女の怪異、瀬良曰く『木霊』は、ただただ、愛おしい人を待っているだけなのだ、それで家を守ろうとしているだけ・・・。

「単純に祓ってしまうのは可愛そうな・・・気がします」
そう、『木霊』が待っている人はおそらく生きていない。帰ってこれなかったのだ。おそらく、彼は、特攻で亡くなった。

にも関わらず、『必ず戻る』という約束を、その約束だけを信じて、多分80年近くあの家で待ち続けたのだ。

そんな気持ちをただ単に力で祓い清めたくはない。

「だとしたら・・・調伏、ではなく、回向ということになるかもしれません」

瀬良によると、調伏が霊力等による退魔の術であるのと対象的に、霊の想いを読み解き、その怒りや怨念を鎮めるのが回向だという。本来の陰陽師の役割は、どちらかというとこの回向にあるという。
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