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天狐あやかし秘譚
第21章 日常茶飯(にちじょうさはん)
「そうだといいな・・・」

額にかかる髪をそっと払ってやる。そのまま、頭を撫でてみた。
とても、温かいし、幼子特有のいい匂いがする。

この子が本当は陰陽師御九里牙城が作った形代に魂が込められた状態で、狂骨の超妖力によって蘇っちゃった妖怪だということを忘れそうになる。

「眠ったのか?」

後ろから急に声をかけられて、ビクッとしてしまう。ダリだった。
そのまま自然に私を背中から抱きしめてくる。今のダリは狐神モード。サラッとした長い髪が私の肩にかかり、頬をくすぐる。ふわっとした優しい匂いに包まれると、私はすごく安心してしまう。

胸の前で合わさる手にそっと手を重ねる。
「今日は、清香ちゃんを助けてくれて、ありがとう・・・」
そのままダリが口を耳元に寄せてくる。吐息が耳にかかるだけでゾクゾクした。

やっぱり・・・来ちゃうんだ・・・。

その期待だけで胸がドキドキしてしまう。
そっと、ダリが私をベッドに押し倒してくる。唇が自然に重なり、それだけで気持ちがあったかくなる。

今日はありがとう、ダリ。清香ちゃんの七五三できてよかったよ。

以前に夢に見た、清香ちゃんの過去を思い出す。暗い家、安心できず、ただただ怯えて暮らした毎日、疲弊しきった母親。
当然、七五三なんてやってもらっていないだろう。だから、やってあげたかった。

本来は、女の子の健やかな成長を祈る趣旨だ。妖怪になって、多分成長することがない清香ちゃんには意味がないのかもしれない。それでも、楽しい思い出をひとつでもたくさん、その心に残してほしいと思ったから・・・。

ダリが大きな手で私の頭を撫でてくれる。
「清香は喜んでいたと思う」
「そうかな・・・」

もう一回キス。そうだといいな。私のおせっかいかもしれないと心配になってもいた。
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