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天狐あやかし秘譚
第23章 形影相弔(けいえいそうちょう)
お湯に浸かり、ぼんやりと今日のことを振り返る。

なんだか、色々と引っかかることが多い気がする。
そもそも、ホシガリ様の正体がわからなさすぎる。伝承どおりだと、鬼女、ということになるが、それがもとの長者の家ではなく、別の家の神様になっている、というのはなんだか不思議な気がする。

それこそ宝生前に聞けば『そんなのはよくあることですよ』的な事を言ったりするのかもしれないが・・・。

それに、浮内の本家が島外の人は愚か、島内の人間であっても浮内分家の人間以外は足を踏み入れられないというのも奇妙な話だ。

まあ、内容を聞くと無理もない気もするが、婿入りの儀とやらも見ることが出来ないのだという。

随分閉鎖的だよな・・・。

あの草介さんは、そんな閉鎖的な『本家』に入って大丈夫なのかな?なんだか外で勉強したいみたいだけど、本家を継ぐ以上、島からは出られない・・・とか?

あ、あと、一番気になっているのが、『今日は浮内の家ではないところに宿泊されたほうがより楽しめると思いますので』という圭介の言葉だ。あの後の笑いが、何か意味深げに私には感じられた。

楽しむ・・・って?
そう言えば、食堂の女将は『今日の夜はどの家もどんちゃん騒ぎ』と言っていたが、ソレのことなのかな?宴会がある・・・的な?

でも、この旅館では普通にご飯食べちゃったしなあ。

結局、考えがまとまらないまま、私はお風呂から上がった。いい湯を頂いたおかげで肌もツヤツヤで髪の毛もさらっとできた。

やっと、午前中の船酔いの後遺症が拭えた気がする。
まだ、時間としては8時前だ。ダリの部屋にでも行ってみようかな・・・。

この時、多分、私は考え事をしていたせいで周囲への気配りが疎かになっていたのだと思う。私が風呂から上がった時から、後ろをついてくる人の気配に気づけなかったのだ。

私が部屋の扉を開け、中に入ろうとした瞬間、どんと後ろから中に押し込まれた。そのまま男が二人、部屋に闖入してきた。

「な・・・何!あなた達!」
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